3極管シングルアンプの紹介

エレキットTU-870 の改造

これは、簡単な改造ですが、その効果は絶大です。 

TU-870、TU-870R を持ってられる方には試してみることをおすすめします。

なを、超3アンプではありません

改造パーツの配布は終了しました。 2015.02
6BM8及び差動アンプ基板の配布は続けています。

新球交換 2014.05

  改造後の温度を測定しました 2014.02

これまでに製作された方からのお手紙です 2011.10

各部 電圧の測定 しました 2011.07


重要 別冊 詳細な改造のご案内  を作成しました。併せてご覧下さい   2011.04

  

ぺるけさん(元祖)のシングルアンプ・プロジェクトにも 多数の方の感想がリンクされています。そちらもご覧ください。
( 
http://www.op316.com/tubes/single/single.htm )  2011.10

同じ改造をされている所を見つけました。 勝手にリンクしていますのでお叱りください。 考えることも、音の印象も同じでよかった。
( 
http://blogs.yahoo.co.jp/katsuma16v/40336482.html ) 2009.12

サイドウッドパネル』を付けたよ 2009.12

AWAとスベトラーナの6BM8の実測3結(3極管結合)Ip-Vp特性をアップしました。 参考にしてください (2009.09)

パンチング板でケース(ボンネットカバー)を作った  2007.12

特性図各部電圧表を追加しました  2006.11.25

1.回路図を添付しました   2006.11.13

著書には無い
この改造の記事はペルケさんの著書「情熱の真空管」には、はしりしか出てきません、内容はHP上のThe Single Amp. Project ザ・シングル・アンプ・プロジェクト」に詳しく書かれてますので、そちらをご覧ください

別物となる
通常は改造により「ここが良くなった、あそこが変わった」というのが相場ですが、この改造により「別物」に変身します。しかも顕著にです。

芯が通った音とでもいうのでしょうか、スピード感、繊細さは当然ですが、低音の延びはこの出力のシングルアンプとしては特筆物です。
アンプの音は出力トランスでかなり変わると云われますが、このちっちゃいトランスでも、一人前の音が出ます。 また、リプルフィルタのおかげでしょうか、残留ノイズがかなり小さいです(S/N比が良好)、当家のALTEC CD308は能率が97dBと高いので、ノイズが判りやすいのですが、ぜんぜん気にならないレベルです。 しごく快適に音楽を楽しめます。
シングルアンプで、しかも複合管1本のため、好きな球を使えます。 オクで手に入れたジャンク球でもリッパに遊べます。 

改造は常数変更と定電流化
改造内容は「超3アンプ化」ではありません。 配線の変更で「5極管シングル」から「3極管接続シングル」への変更です。
ステップ 1.5極管から3結への変更をします。
ステップ 2.前段の回路常数のを変更して、「低域」を延ばします。・・・・ この2までの改造で、大きく変わります
ステップ 3.終段を定電流化します。

改造の要点は「回路の変更です」、 巷でTU-870で改造と云われているような、コネクタを金メッキに、抵抗をフィリップスに、コンデンサをビタミンにしたとのような物ではありません。   この先を見てもらえると判りますが、最低限の部品変更と追加で乗り切っています。  ケースの改造も無く、使い勝手はなんら変わりません。 

部品のグレード
こだわり無しの、付いていた部品を活用しました。  「これでなきゃいけない」は無いです。

性能は「球」しだい
部品点数が少ない分だけに、音は別として、スペック(とはいってもハム=残留ノイズ、歪率 程度)は「球」にかかってきます。

じっと 球を見つめ、手の上で転がし、透かしてみる。 う〜む 金属が折り曲げられ、ガラスの中に入っている。
これと 似たような物に 電球がある。 あれは 電熱線とガラスでできている。 あれは 電熱線から発光するのだが、
これは 何と云うことか 増幅機能がある。 ガラスも金属もたたけば音が出るが それとは違う。
この一本で完了する 奇妙な物
 

改造に必要な部品パーツセットの配布を行ってます。

『 2700円+送料(定形外)140円   申し込みは、題名を「改造パーツセット配布希望」と書いて、「送り先」を記載して
himawari@hanayuu.com まで メールください。  お支払い方法をご案内します。 

6BM8(6F3P) 3結ペア(2本)も 3800円+140円 で送れます。 
 
ソ連時代のスベトラーナ製6F3P 未使用長期保管品です。
 
6F3Pは 6BM8の互換品です。
 
3極管接続でデータを取り、選別したものです。

 (配布継続中です  2014,03 )

 

警告 ここでは、基板の改造を行います。

§ 始まりは

昔の20年近く使っていた、6CA10シングルアンプが忘れなくて、真空管のパワーアンプが欲しい。それも大げさなのはいやだ。
ネットで見てみると 6BM8を使った超3結アンプが目に留まる。 

6BM8とは
思いつくのは 電圧増幅管と電力管が合体した、エコノミーなもので、これはオーディオ用では無く「ラジオ」、「電蓄」用の球です。 オールインワンのステレオには活用されてはいましたが、 単体のアンプでは使われません。 この球ではお金が取れないんですね。

 まだ球の豊富な学生時代(真空管を使ったTVが主流でした。)しかし誰もこれは使っていませんでした、6L6とか6CA7が安価で、メーカーもよ り取りみどり、で落ちつく先は「テレフンケン」凝った人は「シーメンス」を使ってました(ムラードなんて知らない)。 ポピュラーな6BQ5はもっと安く ても使っている人は少なく、6BM8は論外です。 しかし超3ではこれが実用に鳴るとのこと。 調べてみるとほどほどの性能を持っていて、行けそうな球で す。

 でも、いまさら部品を集めて、工具も無いのにアルミシャーシをキコキコする気にはならない、特に真空管、トランスはここ静岡では売ってないし、そのために東京に出ることも気が重い、ましてやキコキコはなおさら・・・・と、思っていました。 

ネットサーフィンしているとエレキットがあるではないですか。 音質の評価も高く、価格は安く、俄然買う気にはなり、ヤフオクで稼ぎました(ジャンクを買って、治して売る ただし公明正大にです 「やったね」は無しです)。

いつもの「ジョーシン(後述)」で買って、製作です。
まずは、マニュアル通りに製作。 注意箇所も調べてあったので、すんなりと組立かんりょー。
出てきた音は、ヤマハCAー1000よりは中域が張ってます、色づけの少ないものです。無難だけど今ひとつピンと来ないが実感でした。

ずばりというと、ネットでは評判が高いけど▼???▲でした

『 このキットはネットで見てますと、いろいろな市販のアンプを渡り歩いたかなりの方々で、じつに評価が高いです。 しかしこのあたりが???なのです。
  普通に作ったら出来る普通のシングルアンプです。 そこまでのアンプではない、ごく普通の5極管アンプです。 が店長の感想です。 
 ・・・・  』

これは将来的に、3結+無帰還に改造、音質向上のため電圧段の調整、の予定ですが、ただ、3結でも、内部抵抗が約1.6Kと高く、6CA10には及ばないので、躊躇してました。

賞賛 エレキットはいいよ

エレキットの中の一番安い真空管アンプです。 出力も2W+2Wで、 2万円程度の低価格なので「初級者向け」と云われています。

でも、これは ぜったいに買いです。

1.コンパクトで ムダが無く、おしゃれなデザイン、 程良い大きさです 
2.2chの入力切り替え、ボリウムが付き、使い勝手はとても良い。
3.部品の加工寸法もきっちりしているうえに、組立説明書もしっかりと書かれている
4.プリント基板を使っています。 シルク印刷もされているので、製作は容易で、誰でも作れるし、性能は変わらない。
 基盤のため、将来的にもユーザーが永久にメンテナンスできるます。
5.現在も生産されている6BM8という、とてもポピュラーな球のため、すごい数のメーカーの物が出回っている、これは楽しみである
6.使われている部品がしっかりしている。 
7.この価格で提供されていることが エレキットの良心といえる。
8.ネット上でも、これの組立記事はいっぱい出ていて、情報には困らない。

けっこう息の長い商品です。 完成品ではなく、「キット」だからできることです。 もっと多くの方に使って欲しいです。

 

やがて4ヶ月がたち


その間に「ペルケさん( http://www.op316.com/tubes/single/single.htm)」のシングルアンプの記事を読み、これなら部品もそろうので、やってみようとちょっぴり端折って改造(手持ちの部品を活用するため、値が違う物もあるのです)です。  電力段の定電流はLM317(PIN配置をえーかげんに思いこみ2個壊した)でうまくいきました。 うれしいことに シャーシ等の金物の加工が不要です。 おかげで外観・機能は基本のままですので使い勝手は良いです。

シャーシの中は狭く、今までの配線もあり、なにかと基盤をひっくり返さなければならないので、「空中配線」はやめ、「ラグ板」を利用しました。

「TU870のオプションの追加コンデンサ」は付けてなかったので、基盤上の空きスペースはまだあるので、そこを活用します。

まずは、部品の配置を仮決めして、部品の買い出しです。

この程度の改造でも、構想を決めておくと、製作も楽になります。

          

            この後 改造作業になります。 文末に 【作業詳細】を添付しました

 

まず、部品をはずして、残ったハンダをアミ線式吸い取り器で取り去ります

記事の中の「ドリルでパターンカット」は良い方法でした、今までは、カッターで斜め切り、破がしてました、確実に切れましたが手間がかかります。 このキットのパターン間隔は広いのでドリルは簡単で確実ですし、作業もしやすいです。

変更する部品は、現状のパターンを利用して取り付けます。 定電流のLM317周辺とトランジスタを使ったリップルフィルタはラグ板に組みました。  もともと、オプションの電源コンデンサが無くてもハムは感じてませんでしたし、このリップルフィルタは無いよりあった方が良いとは思いますが試してはい ません。 なんて言っているうちに、配線も組みあがりました。 さっそく鳴らしてみましょう

おお! これはいける。  これよ これよ この音が正解

気持ちの良い音がします。 
中域がカッチリ張っていて、とても魅力的です。 低出力なのにそれでも低域も気持ち良く伸びています、重低音だけはヤマハにはかなわないですが、十分に楽 しめます。 著者のペルケさんも「ヨウカンの切れっ端(うまい表現ですね」と言っていた出力トランスからも信じがたい音が出ます。
部屋は12坪ていどですが、スピーカーがアルテックのCD308が97dBと高能率なユニットなので、1W程度のパワーでも不足はありません。

うれしいな アルテックがいきいきと鳴ります。 音楽を楽しむためのシステムが完成です。   

これでもう(重量)ヤマハは用済みになりました。 (MCヘッドアンプを除いて・・・

 《臓物の写真》 クリックすると、別の角度から拡大します



好み 自分は JAZZ、クラシックも聞きますが、好きなのは「人の声、女声」です。
JAZZでは「クリス・コナー」「ダニエル・クラーク」「中本マリ」のような、さらっとしたのです。こぶしの効いたのはカンベンです。 国内では「加藤登紀子、金子由香利、松尾和子、ちあきなおみ」ですね。
これらが綺麗に再生できるように、スピーカーも選んだつもりで、このアンプもその範疇に入る物です。

【計ってみました】

 

 入力が≒0.8V位から寝てきます。 出力で1wちょっと位です。この辺から歪んできます。 0.1Vから0.6Vまでの線が膨らんでいるのは、私の手抜きです。 

SGの出力の微調整が無いので、えいやっとやりました。

 

 

 

 

 

 

歪率の測定は「softosc2」を利用しました。 ↑の入力特性との照合してみてもデータの整合性は問題ないと思います。 

パソコンで動作する、オシロ、スペアナ、ネットワークアナライザが一体化したものです、パソのサウンド機能を使うため、周波数の上限が10KHz程度ですが、かなり重宝なものです。 パソからターゲットまでのケーブルだけ作りました。 
OSはWinXp(未確認)、Win2000のSP3以後となってますが、私も「きん@品川さん」もSP4では動作しませんでしたが、SP2で動作して使っています。
「トラ技2006.8」の付録で、単体の市販はされていませんので、バックナンバーはかっておいたほうがいいです。

 f(−6dB)1W出力時  64Hz−42KHz Lch 、 58−55KHz Rch

 DF 8Ω on/off法  2.5(60Hz) 2.7(1KHz)

 残留ノイズ 0.28/0.28mV  ただし、これは球によって変わります

 数値と実際の音はちがうぞ〜

 

改造のための回路図です。 ご利用ください。 クリックすると大きくなるはずです

丸で囲ってあるのが改造点です。 図中の抵抗、コンデンサの値は「ぺるけさん」の物です( )中は、手持ちの部品を使った値です。

リップルフィルタですが、「ぺるけさん」と同じ物は手に入りませんでした。 というか、手に入る物でやるしかない事になると思います。
その際は、出力電流、hfeからベース抵抗の値はカットアンドトライできめてください。 (後述あり)

LM317の仕様はここから手に入ります。 電流を決める抵抗は47Ω//1.3Kにしましたが、47Ωだけでもで良いかと思います。

各部の電圧をデジタルテスターで計りました。

      2006.11     2011.07     2012.04     2014.05  
部位  測定点  測定ヶ所  V1!  V2    V1  V2    V1  V2    V1  V2
AC入力            103      104      100.3  
   ブリッジ入力            186      186        
   ブリッジ出力  D1+  243      234.8       235.8       226  
   フィルタ出力  R17  215      226      226      220  
   +B電源  トランス赤   202      214。2      213.5      207  
 出力段   プレート電圧   E  195      207  207    207.9  207    196.5 196.4
   カソード電圧  A  13.85  15.12    15.5  16.3     15.6  15.8    14.7  14.5
   LM317基準電圧    1.23  1.25                  
 初段  電源電圧  R16                      
   プレート電圧  H  128  125    137  132    137  132    127.6  130.4
   カソード電圧  G  1.99  2.02    1.895  2.0    1.9  1.98     1.82  1.79
             松下  EH    松下  EH    松下  EH
                         廃棄  廃棄

各部の電圧の測定をしました 上記表2011.07の項です。
テスターはいつものサンワのデジタルです。 2006データと値が違いますね。 ブリッジ出力が2006の方は高すぎです。
原因は不明です。他の電圧はほぼ合致しています。 出力段のカソード電圧が深くなっています。 少し劣化してきています。
これが5年の歳月でしょうか


   改造後の温度を測定しました 2014.02

TU-870の温度 測定レポートです。
  測定箇所:室温、パネルの左、右、出力トランスの上、左右、シャーシ6bm8の横、電源トランスの上
  ただし、木製サイドウッドパネル付き、オプションキットの真空管カバー無し
  添付写真を見てください。 緑色のシールが測定箇所です。

  測定器: 非接触赤外線温度計 オーム社TN006
  動作: エディ・ヒギンスをバックグランド程度

電源投入後の 経過時間と温度[℃〕

T ime  室 温   パネル左  パネル右  トランス左  トランス右  シャーシ左  シャーシ右  電源トランス 上  備考 
0817 10 9.6 9.8 10.0 9.8 9.8 9.8 9.8  開始
0827 10 22.6 21.8 14.6 13.8 15.6 18.2 11.8  
---                  省略
0919 10 26.6 26.6. 21.8 21.6 26.6 26.0 18.0  
                   省略
1228 10 28.4 29.0 24.6 25.2 28.4 28.0 21.8  終了


このことから
○ 1時間後に 温度はほぼ安定して、4時間後には 室温+20℃程度となりました。
□  室温が10℃+20℃=30℃ で暖かく感じる程度です。
   夏場は 35℃+20℃=55℃ で ちょっと熱く感じますが触っていれます。

● 私の場合はサイドウッドパネルが付いています。 TU-870は底板に空気孔が無く、横にしかありません。 そのため、サイドパネルには横孔に合わせてパネルの内側を削ってありますが、完全ではありません。 条件が悪いです。

TU-870 でサイドパネル無しとか、下孔吸気のTU-870Rの場合は吸入孔が確保されていますので、これよりも温度は低くなると思います。

まあ、上がるといっても真空管アンプとしては温度上昇は少ないほうだと思います。

いかがなものでしょうか?

★ 追記  TU-870Rで同じ改造をされました方よりいただきました ★

「室温18.4℃で2時間程度音楽を流して、全面パネル30.1℃、トランス45.1℃となりました。
頂いたデータと比較して、触って熱いとは感じましたが気にするほどではないようですね。
安心しました。
アンプの改造で音もかなり変わり、不足気味だった低音も十分出るようになって大変満足しております。」

 


8年目の新球交換 2015.05

改造をしてから はや8年経ちました。 毎日ではないけど、適当に使っています。 ざっくりと毎日1時間×365日×8年=2920時間です。
以前、スベトラーナ球の出荷チェックで、音がだいぶ違っていたことに気づいていて、この連休に、交換し、測定しました。

スベトラーナ製の、Vgが16V時に Ip=30mA位の球を選んで交換しました。

試聴しました 音源は 「由紀さおり 1969より イズ・ザット・オール・ゼア・イズ?」 以前の球に比べて

1.音のカスレが無くなり、綺麗になりました。

2. 音がクッキリと明瞭になった。

3. じつに いいです 

いえ、以前の球もすごくいい音をしていたのですよ。 でも 毎日の微量な劣化には耳が附いていかないから判らないです。
「年末に蛍光灯を交換するとその明るさに気がつく」のと同じです。

AC入力電圧 100.3Vに補正      補正無し    
Tr コレクタ電圧  226      238   リップルフィルタの入力電圧です、
下のR17電圧の差分がフィルタ電圧になります。
R17(220Ω)両端電圧  220/207    =59mA      233/220 =59mA 電位差÷0.22が回路電流で59mAは正解
ソケット番号  V1(L)  V2(R)    V1(L) V2(R)  
ソケットピンA V5g  14.7   14.5     19.03 19.05 5極のカソード電圧です。へたってくると下がります
E V5p  196.5  196.4     213.5 213.5  
G V3g  1.82   1.79     1.95 1.86 3極のカソード電圧
H V3p  127.6  130.4     140.5 143.0  
球名  松下  EH    スベトラーナ
No18J 3.4mA/29mA
 スベトラーナ
No26D 3.2mA/32mA
 
備考

 

 廃棄  廃棄        

 


年末に作った、ボンネットカバー  薄板を曲げて簡単に作れた、放熱、安全性、などは満足のいくものとなりました。 手間の割には効果はおおきい。 詳細は「TU870にパンチングカバーを付ける」です 板の販売もしています。

 


手持ちの材料で、明るい色調と板目の綺麗な「アガチス材」「ナラ」があったので、『サイドウッドパネル』の試作を行いました。 (2009.12)

上左:取り付け前の 870と 楢(ナラ)製のウッドパネル と 右:「取り付けた」ウッドパネル

 

いいですよ これ。 これまでも『出てくる音』は大人でしたが、外観も大人になった気がします。 yahooオクで試験販売中です。

詳細は 当店の 「TU−8××シリーズ用のサイドウッドパネルを作った」にて ご紹介しています。

☆ 販売内容 4000円(取り付けネジ付き)送料390円、 材質は ナラ、クルミ、栗、アガチスの4種類 、いずれも一枚板です。
  お支払は 「新生銀行」か「郵貯銀行」です。
  ご希望の方は 「サイドウッドパネル希望」と まで、ご連絡ください。

★ 注意 後継機種のTU-870Rには ケース横の「通風孔」が開いていませんので、「取り付け穴」を開けるか、「両面テープ」で取り付けてください。

  ふ〜む こういうところで、コストダウンしてるんですね。 他には真空管のソケットも焼き物ではなくなったし・・・
この価格では、儲けは出ないだろうなあ。 上代2万円で販売店への卸し価格が8割としても、1.6万、材料費、運賃を引いたら、いくら手元に残るだろう?  どうですか みなさん いくらで作れますか?


 

作業の詳細を追加しました

TU870改造の詳細 これは、本ページの3極管結合+定電流化への改造をお手伝いすべく「詳細化」したものです。

図を多用しました、ビジュアル版「こんにちは TU−870の改造のページですも作りましたので、併せてご覧ください

 

■ 前準備、

◆必要な 工具

キットを作った時に使った工具です、 ドライバー、ニッパー、ハンダコテ等

ハンダを吸い取る アミ線式はんだ吸い取り器(ソルダーウイック) 少々

ドリル プリント基板にラグ板を取り付けるため、φ3.2〜4の孔を開けるのに使います。 電動でもハンドドリルでもかまいません。 加工は1カ所だけですので、家庭用キリでも代用できます。

ホットメルト ジャンパー配線を基板に固定するために使います。 エポキシ接着剤、テープでもかまいません。  

◆材料

■工作

第一段階: 出力段を五極管接続から三極管接続に配線で変更します。初段の動作点、NFBの変更は、部品(抵抗、コンデンサ)の変更だけで、パターンの切断はありませんのでこのキットを組み立てられた方なら、容易にできると思います。 

ここではパターンカットを行います。 たいしたことでは無いのですが、基板にキズを付けるのでオークションに出すときは「新品」とはいえませんだけです。この段階だけで、かなり音質は変わることが実感できます。 

 

◆出力段  5極管から3極管へ変身させます。


1)ソケットの七番ピンを電源から切り離すため、カット1〜3まで3ヶ所パターンをカットします。

「ぺるけさん」は4φのドリルを提案されてますが、ドリルの無い方は、カッターで斜めに2ヶ所、切れ目を入れ半田コテを当てますと、その部分ははがれます。

         < 写真1 パターンカット と ジャンパー線 と C20=470pF の取り付け図 >

 

2) ところが3ヶ所カットすると R8のパターンも切れてしまうので、R8を電源につなげるジャンパー配線を行います。 
この線は危険防止のために「ホットメルト」で基板に固定します。 ぶらぶらしないように3カ所くらい止めればいいです。

3) 真空管ソケットの6番ピンと7番ピンを100Ω(1/2w)でつなぎます。 次の写真にあります。

◆前段

R3、R4(10KΩ)を390Ωへ。
R5、R6(2.7KΩ)を7KΩ(6.8KΩを使いました)
C1,C2(0.1μF)を 560μF(在庫の470μ/16Vを使いました。)
R13(22KΩ)を3KΩへ変更します
抵抗は、写真2では金属皮膜1/4Wですが、カーボンでもかまいません。
先のパターンカットの写真1にあるように、基板の裏側にC20を追加します。 470pF/のセラミックコンデンサを使用しました。
C3,C4(0.022μF)を0.1μ/250vに変更します。

      < 写真2 R3,R5,R13 とC1、 C3の黄色いフィルムコンデンサ  >

 

これでおしまい。

今付いている部品を外すには、部品を引っ張りながら、裏からハンダコテでハンダ付けしてあるところを溶かしてやると外れます。

外した部分にはハンダが残るので、吸い取り器で吸い出します。 ここでは簡単な「アミ線式ハンダ吸い取り器」を当てて、上からコテを当てて
アミ線に吸い込ませます。 もし、うまく吸えない場合は、「呼び水」のように吸い出す部分に一度ハンダを染み込ませてください。


必要な部品
抵抗 390Ω
    6.8KΩ
    3KΩ
電解コンデンサ     470μ/16V
セラミックコンデンサ  470pF
フィルムコンデンサ   0.1μ/250V(安全をみて450V)
以上 各2個づつ

さあ 基板を固定して、トランスからの配線を再度付け、配線の確認をしたら、音出しをしてみましょう。
どうですか、さっきまでの音とぜんぜん違うでしょう?
今までのが端正で綺麗な音だなあ、(ちょっとよそよそしいけど) と思います これが5極管の音です。
それが今度は、3極管の音に変わってます。 躍動感にあふれ、一人前の大人の音というか、
これが当たり前の音だと思うのだが、なんと言い表していいのか・・・誰か 替わりに云ってくれ

                   この先へ いきますか?

 

◆定電流回路 この改造のキモです。

1)出力段のバイアス抵抗を外して、LM317を使った定電流回路を入れます。 今までのように外した部品の場所につけれる大きさの物では無いので「ラグ板(5mmピッチ)」に取り付けて、配線します。

<写真3 定電流回路 の LM317とラグ板 >

LM317の取り付けの際に足を開かせるのですが、パッケージの根本から曲げないで、足の途中で曲げてください。

電流の調整抵抗は 47Ωだけでも良いですので、横の1.3kは不要です。
電流値は Vadj端子と出力端子の電圧差が1.25V(±0.05V)になる抵抗値で決まります。
Vadj=1.25V/47Ω≒26.6mA程度になります。 

R11とC7を外します。 R11を取り付けていたホールに青と灰色の線を<臓物の写真>を参考にして、接続します。

ここで注意しなければならないのが、上の写真では、上から2番目の端子部分はシャーシにネジ留めされています。 
そのため、この箇所を避けて使います。

もう、片方の回路も同様に作り、配線します。

続いて、2章にありました、Cloop=100μ・250Vを 基板にある、「REDピン」とソケットAにハンダ付けします。

このコンデンサは固定が出来ないので、要注意です。 なるべくふらつかないように足は短くしてハンダ付けしてください。

 

もしハムが発生したりして気になったら
第四段階では、電源にリプルフィルターを追加します。

 

◆リップルフィルタ

トランジスタを使ったものです。 出力は 215V位にします。 約28Vドロップさせました。
ここで使ったTrは手持ちのもので 耐圧が400V、hfe=20〜100、コレクタ損失は10Wのスイッチング用の物です。
あまり大きい物は、実装スペースに制限もありますので、小型な物に限ります。

出力電流は 27mA×2=54mAと見込みます。
Ib=Ic/hfe より 54mA/(20〜100) で 2.7〜0.54mA、
ドロップ電圧が28Vなので ベース抵抗は28/2.7〜0.54=10〜52KΩの範囲で合わせ込みます。

hfeが大きく開いてますので、10KΩ程度を入れてみて、ドロップ電圧を測り、逆算してhfeを測定して、抵抗値を決めれば好いです。

直感的な方法としては hfeが不明な場合 1K、2.2K、4.7K、6.8K、10Kと抵抗を用意しておき、1Kを付けてみます。
その時のドロップ電圧をテスターで測り、小さければ、次の大きい抵抗に替えていきます。
私の場合は28Vドロップさせましたが、もっと小さくても、ブーンというハムが気にならない程度でかまいません。
ドロップ電圧を大きくすると、トランジスタの損失が増え、発熱しますから注意してください。

フィルタコンデンサは22μ/450V を使いました。
損失は 28V×0.054mA=1.5Wです。 トランジスタがTa=1.2Wですので、やはり小型のヒートシンクを付けました。

前述の《臓物の写真》にある 画像下側の黄色い電線のあたりです。

 

 ご静聴ありがとうございました

 

 

 

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