TU−870の改造のページです 2013.03
今までの改造のページ ( http://www.hanayuu.com/ad/3single/ ) をわかりやすいようにまとめました。 ここは エッセンスだけです 。
TU-870は現在は TU-870R と機種変更されていますが、エレキットの案内からしますと、中身は変わっていないと思いますので、この手引きはそのまま使えると思います。
入手の都合とかで、ペルケさんとかハナユウとかの部品の数値と若干違っていますが、基本的には似たような物です。
それと 必要な工具として 基板にφ3mm程度の穴をあけますのでドリルかキリが必要です。
改造パーツセットの配布は
『 2700円+送料(定形外)140円 申し込みは、題名を「改造パーツセット配布希望」と書いて、「送り先」を記載して
himawari@hanayuu.com まで メールください。 お支払い方法をご案内します。
6BM8(6F3P) ペア(2本)も 3800円+140円 で送れます。
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ソ連時代のスベトラーナ製6F3P 未使用長期保管品です。
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6F3Pは 6BM8の互換品です。
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3極間接続にしてデータを取り、選別したものです。
(配布継続中です 2014.03)
改造の手順は
1.回路定数変更のための部品の交換
2.5極管から3極管回路への変更
3.リプルフィルタ、信号コンデンサの追加
になります。
これを ステップ毎に進めます。
ひとつづつ作業を行い、動作を確認していきます。 でも 思い切ってず〜んと進んでいただいてもかまいません。
最終的にはこんな風になります。
<fig1 全体図>
【ステップ0】準備編
パターンカットは後にして、差し障りのない部品を取り替えます。 そして取り替えた後、再度組み立てて音はちゃんと出ることを確認しまがら進めましょう。 そこで 音が出ないと 後でも絶対出ません
基板をひっくり返して部品の取り付けをしますので、表パネルのボリウムの六角ナットと、基板を取り付けてある3本のネジを外します。 その前に「真空管」を外しておきましょう。
ハンダの処理方法ですが、 邪魔なハンダ、あふれてしまったハンダの吸い取り方法ですが「ソルダーウィック」が楽チンです。ホームセンターあたりでしょうかね?
注) テスターを使iいましょう
最近の抵抗は小型化していますので、カラーコードも小さくなり、判別しにくいです。 にらみつけるより、確実なテスターで測りましょう。
カーボンの時代は 精度も金か銀でしたのでお尻が判ったのですが、金被になってからどちらが尻で頭かよくわからなくなった。 そのためもあり、テスターを使ってます。
注)指で押したり、つまんだり
半田付けしたつもりが、実はつもりだけだったりします。 指で押してみましょう。 ちゃんと半田付けしてあるか確認しましょう。
このアンプは改造のための場所も部品も少ないので、動作不良は、パターンカット、部品交換、半田付けくらいです。
【ステップ1】 回路定数変更のための部品の交換
基板中央の「OPT−L」端子に半田付けしてあります(裏側のトランスから来ている)黄色、赤色の線を、外して、基板がクルリとひっくり返り裏からの作業が出来ます。
● C5、C6150pFを取り外します
● R3,R4の 10kΩを 390Ωに交換します。 ( 図02 図03 )
● R5,R6の 2.7kΩを 6.8kΩに交換します。
● C1、C2 を 電解コンデンサ 470μ(+ーの極性あります)に交換します。
<図02 、 図03>
続いて
● C3,C4 0.022μを 0.1μに交換します。( 図04、図05 下の黄色のフィルムコンデンサ)
注) 写真では0.47μですが、0.1〜0.47と思って下さい。
● R13,R14 22kΩを3.9kΩに交換します。
< 図04 、図05 >
● C20、C21 セラミックコンデンサ470pF 2個を基板の裏側に半田付けします。
<図06 左右 2個のコンデンサ >
さて ここまでの変更で【ステップ1】は終了です。 組み立てて、音は出てますか?
改造前に比べて 感度は高いですが音はきちんと出ます。
次へ行きましょう
【ステップ2】 5極管から3極管回路への変更
ここでは 3極管接続への変更と定電流化をおこないます。 もともと6BM8は5極管です、これのSGをプレートに接続することにより、3極管に換えてしまおうとします。 これを3結とよびます。 実際にこれをおこなうと、電気特性も完全に3極管になります。
基板のラグ板の取り付け穴開けとパターンカットをおこないます。 カットはドリルで削っても良いし、カッターナイフで斜めに切れ目を2ヶ所入れて、切れ目に挟まれた部分を半田コテで暖めてひっぺがすことでも良いです。 斜めの理由は戻しやすいからです。
● ラグ板を取り付ける穴φ3.2〜4mmを図11〜13
の位置を参考にして開けます。 パターンに触れないようにします。
● 下の図の カット1,2,3を行い、ジャンパー線を付けます。 リップル用のカットは後で行う。
パターンカットの図07
続いて
● C7,R11、 C8、R12 を外します。 下図のピンクの枠の位置です。
<入力VRの近くのC7とR11の図> < ELKITの表示の下のC8とR12 の図>
つづいて
● V1の真空管ソケットのEとFを100Ωで接続します。 同様にV2も行います
<図09 赤丸が100Ω>
定電流回路をラグ板に作ります。 2種類作りますので注意してください。 抵抗は47オームです。
15cm位に切った電線「青」「灰」を着けておきます
<図10 4ピンのラグ板に定電流回路を組む >
4ピンの定電流回路の線はR12の両端につなぐ
青、灰を 図10、図11のヶ所に接続します。長さは、長かったら切ってください。
<図11 6ピンのラグ板に定電流回路を組み、基板に固定する>
さあ ここで再度 組み立てて、真空管、電源を入れますと、きちんと音が出ます。
次のステップ3で音が出ます、今は出ません。(2011.12 訂正)
注記) 写真には電解コンデンサが22μ/450Vですが、ここの耐圧は250V品でOKです。 (2013.03)
チェックはテスターがあれば
V1,V2の真空管のAが DC15〜18V位ですよね。
【ステップ3】 リプルフィルタ、信号ループコンデンサの追加
● パターンカット 図07 リップルフィルタのカット を行います。
リプルフィルタと信号ループコンデンサを付けます
● まずは リプルフィルタ回路を 図10のようにラグ板に付けます。 電線の黄、青、灰は10cm程度です。
トランジスタ(Tr)は型番によりE、C、Bピンの配列が異なります。 使用するTrの配列を確認してください。 間違えると確実に壊れます。
↓の場合はTrは「2SC3425」を使い、ラグ板の右端から 「B」、「C=黄の線」、「E」です。
<リップルフィルタ 青、灰、黄色を使用 >
<13図 トランジスタが裏向きな事に注意 >
<特別付属 トランジスタのピン配列と 回路図の付き合わせ >
黄、青、灰の配線を 図13のようにします。
信号ループコンデンサ を取り付けるために、基板を元のようにキチンと取り付けます。
トランスからの赤、黄も配線します。
最後に コンデンサを取り付けます。 極性に注意してください。 ピンに配線します、自重がかかりますのでしっかりと半田付けして下さい。
指で押して 半田付けした所がぐらぐらしませんね
写真ではコンデンサの足が生足になってます。これは感電など危険ですので、絶縁チューブをかぶせてください。
ラグ板の取り付けは基板固定用のネジを流用します
真空管を付けて 動作を確認しましょう
リプルフィルタはハムを減少させます。 ここでの電圧降下は6〜15V程度にして下さい。(hfe=30〜80を想定しています)
参考: 2SC3572 のhfe規定 M=20to40、L=30−60、k=40to80
ハムはほとんどないはずです。
これで 改造は終了です。
各部の電圧をデジタルテスターで計りました。
2006.11 | ||||||
部位 | 測定点 | 測定箇所 | 測定電圧[V] | 2011.07 | ||
AC入力 | 103 | |||||
ブリッジ入力 | AC186 | |||||
電源 | ブリッジ出力 | D1+ | 243 | 234.8 | ||
リプルフィルタ出力 | R17 | 215 | 226 | |||
+B電源(トランス入力) | 赤 | 202 | 214.2 | |||
出力段 | 出力段プレート電圧 | 6ぴん | 195 | 207/207 | ||
カソード電圧 | 2ぴん | 13.85/15.12 | 15.5/16.3 | |||
LM317基準電圧 | 1.23/1.25 | |||||
初段 | 電源電圧 | R16 | ||||
プレート電圧 | 9ピン | 128/125 | 137/132 | |||
カソード電圧 | 8ピン | 1.99/2.02 | 1.895/2.00 | |||
出力は1w+1w程度と小さいですが、非常に良質な音がします。当店の作業場では フォスターFE103+バスレフと合わせて3m位の距離で楽しんでいます。
「これ以上 何がいるんだ?」と 納得、得心しています。
実は 最近、FE103に惚れ直しています。 期待以上の音質です。 小型で置き場所をとりません。
追記 上記改造のためのパーツセットの配布します。 改造に必要な部品がセットになっていますのでご利用ください。 (http://www.hanayuu.com/ad/index.htm) 2011.05